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名所江戸百景 虎の門外あふひ坂

歌川広重

名所江戸百景 虎の門外あふひ坂

広重晩年の大作「名所江戸百景」119枚揃の1枚。
葵坂の名の由来は、坂を上りきったあたりに葵の植わった地があったからのようだ。縦長の画面を生かし、星のまたたく冬の寒空と、坂の見える風景がバランス良く配される。江戸築城の際に作られた溜池からは、冷たい水が葵坂に沿うように流れ落ちる。最も手前に描かれるふんどし姿の2人は、、子供の方の提灯に見える文字「金比羅大権現」から、画面右奥に位置する金比羅様へ寒参りに出向いた帰りと思われる。坂には屋台が2台、二八蕎麦屋と太平しっぽく屋のようだ。葵坂にはまばらながら人通りもうかがえる。空や水の美しいぼかしが夜の深みを増す。

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